Reference News Networkは11月24日、フィナンシャル・タイムズ紙が11月17日付でヘレン・ウォーラー氏による「人工知能：戦争の新たなルール」と題する記事を掲載したと報じました。全文は以下をご覧ください。
戦争における人工知能（AI）の活用をめぐる議論は、ディストピア的な恐怖を生み出しています。軍司令官たちは、人間による戦闘を凌駕する、より迅速かつ正確なデジタル化された部隊を切望しています。しかし、AIが戦争においてますます中心的な役割を果たすようになるにつれ、紛争が急速にエスカレートし、倫理的・法的監視が欠如する可能性があるため、軍司令官が紛争の統制を失う可能性があるという懸念があります。
こうしたリスクを理解し、軽減することは、現代の軍事における最優先事項です。西側諸国では、核兵器配備に関する決定をAIに委ねるべきではないというコンセンサスが高まっています。国連のグテーレス事務総長は、完全自律型致死兵器システムの完全禁止を求めています。
規制は技術開発の進展に追いつく必要があり、これは極めて重要です。しかし、SFに触発された刺激的なシナリオに囚われていると、現実に起こり得る事態を見落としがちです。ハーバード大学ベルファー科学国際問題センターの研究者が指摘するように、AI楽観論者は完全自律型兵器システムの導入に伴う課題を過小評価しがちです。戦闘におけるAIの能力は、おそらく過大評価されているでしょう。
この見解の主導的な提唱者であるアンソニー・キング教授は、AIは人間に取って代わるのではなく、軍事的洞察力を高めるために活用されると主張しています。戦争の性質が変化し、長距離技術を用いた兵器システムが進歩しているにもかかわらず、キング教授は「戦争の完全自動化は単なる空想に過ぎない」と主張しています。
現在、軍事におけるAIの3つの主要な用途は、どれも完全に自律的とは言えません。AIは、計画と兵站、サイバー戦争（破壊工作、スパイ活動、ハッキング、情報戦を含む）、そして最も物議を醸している兵器の標的特定に利用されています。後者は既にウクライナ戦域で運用されています。キエフ軍はAIソフトウェアを用いてドローンを操作し、重要地点への接近時にロシアの妨害装置を回避できるようにしている。
興味深い視点として、戦争におけるAIの活用に不安や懸念を抱いている人々の中には、軍の厳しい規範の現実を知らない人もいるかもしれないという点が挙げられる。戦争におけるAIの活用に反対する人々の中には、自律システムの使用というよりも、戦争そのものに反対する人もいるかもしれない。
AI企業は、軍事分野における自社製品の活用に対する姿勢を大きく転換させてきた。2024年初頭、オープンAIリサーチセンターは自社のAIツールの戦争での使用を明確に禁止したが、同年末までにアンドゥリル社と契約を締結し、同社が戦場でドローンを撃墜できるよう支援した。
このステップは完全自律型兵器には至らないものの、間違いなく戦場へのAIの応用であり、テクノロジー企業が軍事システムとのつながりを公然と認めることができる大きな転換点となるだろう。
AI戦争に反対する人々は、いくつかのグループに分けられる。あるグループは、より正確な標的設定が犠牲者の減少につながる、あるいは単に戦争の増加につながるという考えに根本的に反対しています。アフガニスタンにおけるドローン戦争の第一段階を考えてみてください。ドローン攻撃のコストが下がったからといって、本当に殺害数が減ったと言えるのでしょうか。それとも、費やしたお金が破壊を増加させるだけなのでしょうか。
しかし、別の批判グループは、戦争の現実を熟知した人々から来ており、彼らはAI技術の根本的な限界について非常に具体的な不満を抱いています。例えば、元米海軍戦闘機パイロットで、ジョージ・メイソン大学で工学・コンピュータサイエンスの教授を務めるミッシー・カミングス氏は、大規模な言語モデルは軍事シナリオにおいて特に深刻なエラーを起こしやすいと率直に述べています。
私たちはAI戦闘システムのセキュリティについて疑問を持ち続け、政治指導者がこの点に関して責任を取るようにすべきです。また、一部のテクノロジー企業が戦場におけるAIの潜在的な目標に関して行った「極めて野心的な約束」にも懐疑的であるべきです。
防衛技術の新たなフロンティアは、軍隊にとって機会とリスクの両面をもたらします。危険なのは、AI兵器の軍拡競争の過程で、これらの新たな能力が切実に必要としている精査と議論を受けられない可能性があることです。
（翻訳：Tu Qi）
出典: 元記事を読む
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