
2022年のChatGPT発表以降、生成AIへの関心が急速に高まり、主要テクノロジー企業を中心に巨額の投資が続いている。しかし、現時点で収益化が進んでいるのは、半導体やクラウドコンピューティングといったインフラ領域が中心である。生成AIの基盤モデルやそれを活用したアプリケーションは、開発コストの高さや収益モデルの未成熟さから利益創出の途上にある。19世紀の米国でのゴールドラッシュにおいて金鉱採掘よりもツルハシやジーンズの販売が利益を上げた事例に類似している。
そうした環境下、中国企業のDeepSeekは2024年12月に、GPT-4oに匹敵する性能を持つ基盤モデル「DeepSeek-R3」をオープンソースで公開した。R3は、学習に要したコストがわずか557.6万ドルと、従来モデルより圧倒的に低コストでありながら、高性能を実現している。また、API連携費用も既存の生成AIを下回る価格設定で提供されている。DeepSeekの台頭により、生成AIの利用コストが大幅に低下し、アプリケーション開発のハードルも下がることが期待される。生成AIはインフラ普及期からアプリケーション普及期への移行が進みつつある。
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