
パワー半導体業界において、シリコン(Si)が絶対王者である事実は疑いようがない。これまで、いくつもの新材料が戦いを挑んできたが、マーケットシェアを大きく奪う事が出来た材料は存在しない。それは1980年代後半、物性上はSiよりも優れていた砒化ガリウム(GaAs)が、MOSFET開発競争でSiに敗れた事に重なる。Siはこれまで、どんな材料が相手でも打ち負かしてきた。物性上のハンディキャップはプロセスや実装技術の工夫によって克服してきた。

それは、圧倒的な研究開発の歴史とノウハウの蓄積、研究者・技術者人口の多さ、そして無転位の大型インゴットを低コストで作製可能であり、2nmという超絶技巧の加工プロセスを有しているという、どの材料も勝つことが出来ない量産性と加工精度の高さが背景にある。
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