建設機械×半導体──コマツとキャタピラーの自動運転が示す次の市場

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鉱山で成熟した自律運搬が、より人と工程の密度が高い採石場(クワリー)や一般土木で使われだしている。2025年7月、米国キャタピラーと米国Luck Stoneは、米バージニア州の採石場で自動運搬100万トンに到達し、鉱山以外でも自律運行が生産指標(スループット、稼働率、介入回数)で成立することを証明した。

さらに2024年11月には、Luck StoneでCat 777の完全自律走行を実証し、採石・骨材のより変動の大きい現場でも、センサーフュージョンと運行管理の実装が現実的であることを示している。

鉱山分野では、キャタピラーの自律運搬は累計86億トン超の実績を示し、安全性と運用信頼性の“定量裏付け”が明確になった。

一方、コマツは2025年5月にトロリー給電下での自律運転に成功。電動駆動ダンプに架線給電を組み合わせることで、上り勾配などエネルギー消費の厳しい局面での電費・サイクル時間を同時に最適化しうることを、自動運転とエネルギーマネジメントの融合として証明した。

この「現場で効果が出る」事例の連続は、屋外×粉塵×高温×振動という過酷環境に耐えるロバスト設計のセンサ、連続稼働に耐えるエッジAI推論SoC、高電圧・高効率のSiCパワー半導体という三位一体の需要を強く喚起している。

本稿ではコマツとキャタピラー両社の最新動向を軸に、部品・モジュール・ソフトIPの参入余地を具体的に掘り下げる。

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