生成AIや2nmが脚光を浴びる一方で、クルマの窓やライト、ワイパー、電源、EPS(電動パワステ)など日常の動きに律儀に対応しているのは、いまもMCU(マイコン)だ。とりわけ車載MCU/車載マイコンは、レガシー半導体と呼ばれる成熟ノード(40〜90nm)での量産が主流で、反応速度・低消費電力・ノイズ耐性といった“効果のある性能”が評価軸になる。
2025年半ばの決算・ガイダンスを重ねて読むと、派手なV字回復ではないが、自動車向けが半導体需要の底を固めている構図が鮮明になった。実際にモーターやリレーを動かす“最後の10cm”のリアルタイム制御を確実に機能させる技術が、事業のボラティリティを抑える役割を果たしている。
本稿では、“静かな主役”と言える自動車向けMCUについて、その現状を考察する。
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