HBM4時代を支えるハイブリッドボンディング装置争奪戦 ──Samsung・SK hynixの量産計画と、I/O密度×熱の壁に挑む装置ベンダーの攻防

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「配線より“面”でつなぐ」—HBM4 は接続様式の大転換点

生成AIに、より高度な学習能力などが求められるなか、高い帯域幅を持ったDRAMである「HBM」は、スタック数を増やすことと1スタック当たりの帯域を上げることで進化してきた。2025年4月、米国のJEDECが「HBM4」を正式発表し、1スタック当たり最大2 TB/sの帯域が標準化された。スタック数の増加と組み合わせれば、パッケージ総帯域をほぼ線形に拡張できる。

一方で、従来のマイクロバンプ主体のチップは、さらなるI/O増に伴い、実装高さ・高歩留まり・低熱化といった複合の制約が顕在化している。これに対し注目されているのが、ハイブリッドボンディング(Hybrid Bonding:HB)技術だ。これは、銅(Cu)バンプなどの介在物を使用せずに半導体チップ同士を直接、高密度に接続できるため、I/O密度を飛躍させつつスタックを薄型化できるからだ。そして、HBM4/4Eにおいては、このHBをどこで・どの程度使うかが、量産化への鍵を握っているのだ。

この状況に対し、明確な動きを見せているのが韓国勢である。SK hynixはHBM4の12層のサンプルを主要顧客へ供給しており、2025年下期の量産準備完了を掲げている。この件に関しては、顧客側の要求も強いらしく、NVIDIAはHBM4量産開始時期についての前倒し要請を行っている。また、SamsungもHBM4投入に向けた実装プロセスの刷新を急いでいる。

本稿では、HBM4時代を支えると思われる「ハイブリッドボンディング(HB)」に焦点を当て、その動向を考察する。

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