TSMCは2024年に熊本県に第2の半導体ファウンドリーとなるJASMを建設する計画を発表し、今年10月に正式に契約を締結して着工しました。しかし、プロジェクト開始からわずか2か月後、建設が中断され、クレーン、掘削機、杭打ち機などの重機のほとんどが現場から撤去されたというニュースが報じられました。市場関係者は、この変更は世界の半導体市場の需要変動と密接に関連していると考えています。2024年以降、6nmおよび7nmチップの需要は減少し続けており、TSMCは熊本工場のプロセス計画の見直しを迫られています。
経済産業省の関係者は、TSMCが建屋の構造とレイアウトの最適化を検討していることを明らかにし、プロセス調整の可能性への懸念が高まっています。以前、日経アジアは関係筋を引用し、TSMCが計画中の6nmおよび7nmプロセスを、より高度な4nmプロセスにアップグレードする可能性があると報じていました。しかし、最新の動きによると、TSMCは魏会長に分析レポートを提出し、熊本工場はNVIDIAやAMDといった主要AIチップ顧客のニーズを満たすため、4nmプロセスを省略し、2nmプロセスに直接移行する可能性が高いことを示唆しています。
半導体業界アナリストは、TSMCの4nmプロセスは2023年に量産開始されると予測しています。2年後の熊本第二工場の生産開始時にまだこのプロセスを採用している場合、AI顧客の2nmへの移行という苦境に直面することになります。したがって、2nmプロセスを直接導入する方がリスクは低くなります。この調整は、熊本第二工場のターゲット顧客が主に日系車載チップからAIチップ需要へと移行することを意味します。
計画によると、熊本第二工場は熊本第一工場の東に位置し、敷地面積は約32万1000平方メートルで、第一工場の約50%拡大し、投資額は約2兆2000億円です。日本政府は最大7,320億円の補助金を支給する。TSMCは以前、両工場への投資総額は200億米ドルを超え、月産能力は合計10万枚を超えると発表していた。このプロセス計画の大幅な変更は、世界の半導体業界における先端プロセスへのイテレーションの加速を反映しているだけでなく、AI需要がサプライチェーンのレイアウトに及ぼす甚大な影響を浮き彫りにしている。
出典：艾季微 編集者：鄧文彪 著者：日新
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