昨今、自動車産業は電動化(EV化)により、大きな進化を遂げてきた。そして、今、自動車業界は次の大きな転換点に差し掛かっている。それが、ソフトウェアによって機能を追加したり向上させたりする自動車、Software Defined Vehicle(SDV)だ。車両の中枢に高度な演算装置を置き、OTA(Over The Air)によって継続的に機能を進化させるSDVは、構造的に従来の「ECUの集合体」とは異なると言える。
この変化により、車載半導体産業は大きく再編されつつある。SDVにおいては、SoC、ストレージ、車内ネットワーク、リアルタイムOS、そしてセキュリティモジュールなどに求められるのは単体のスペックではない。「SDVアーキテクチャの一部として統合された存在」なのである。このため、現在、ハードとソフトをまたいだ包括的なプレイヤー戦略が問われているのだ。本稿では、SDV化によって車載用半導体に訪れている大きなパラダイムシフトの現状、そして日本企業はこれにどう対応すべきかを考察する。
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