この記事のポイント
- 独インフィニオンが、50億ユーロを投じた最先端半導体工場を稼働開始。
- 欧州のハイテク自律性強化と、アジア・米国への部品依存低減を目指す。
- AI、EV、再生可能エネルギーなど、幅広い分野向けのスマートパワー半導体を製造。
- EUの「チップ法」による10億ユーロの補助金を受け、2030年までの市場シェア20%達成に貢献。
- インフィニオンにとって過去最大の投資であり、AI市場への注力といった戦略転換も示唆。
インフィニオン、欧州の半導体自律性強化へ新工場稼働
ドイツの半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは、50億ユーロ(約57億ドル)を投じて建設していた最先端半導体工場を、予定より3ヶ月早く正式に稼働させました。この動きは、欧州がハイテク分野における自律性を高めようとしている動きと連動しています。
スマートパワー半導体で広がる応用範囲
ドイツ東部の都市ドレスデンに建設されたこのスマートパワーウェーハ工場は、欧州がアジアや米国への重要部品への依存を減らすための象徴的な存在と位置づけられています。この工場では、スマートパワー管理に用いられる半導体が製造されます。その応用範囲は、電気自動車、風力タービン、太陽光パネルといった再生可能エネルギー分野から、AI(人工知能)に不可欠なデータセンターまで多岐にわたります。
EU「チップ法」の支援と戦略的意義
新工場は、EUの「チップ法」によって10億ユーロの補助金を受けています。これは、2030年までにEUの世界半導体生産シェアを現在の10%から20%に引き上げるというEUの広範な政策の一環です。2023年5月に着工したこの工場は、インフィニオン史上最大の単一投資であるだけでなく、ミュンヘン郊外に本社を置く同社にとって、AI投資ブームからの収益獲得を目指し、自動車産業のサプライヤーという従来の枠を超えた、重要な戦略的転換点となっています。
「ザクセン・シリコンバレー」の中心地で
この工場は、ドイツの「ザクセン・シリコンバレー」の中心部に位置しており、この地域は欧州で最も活気のあるマイクロチップ産業クラスターの一つとなっています。ドレスデンには9つの大学があり、専門的な訓練を受けた多くのエンジニアを輩出しており、この地域に約2500社存在する関連業界の企業にとって、貴重な人材となっています。
生産コスト削減と規模の経済
専門家によると、この工場建設には多額のコストがかかったものの、その後のマイクロチップの単位生産コストは大幅に低下すると予想されています。ドイツ電子・デジタル産業協会のヴォルフガング・ウェーバー会長は、「チップ産業は、規模の経済に極めて依存する産業です」と述べています。彼は、「最初のチップのコストは非常に高くなります。なぜなら、まず工場を建設しなければならないからです。この投資は数十億ユーロに達する可能性があります。一度稼働すれば、単位コストは劇的に低下します」と指摘しています。
出典: 元記事を読む
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