スマート農業普及の鍵はセンシングと通信技術にあり!

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日本の農業は、高齢化と猛暑という“二重苦”のまったただなかにある。2024年夏は高温と多湿が重なり、農林水産業従事者の熱中症搬送が急増した。こうした現場負荷を背景に、スマート農業は「省人化」と「定量化」を同時に進める実装段階に入っている。最近では、ドローンによる農薬散布の遠隔運航実証や、圃場の常時センシングの導入が広がりつつある。

そして、このようなスマート農業の進化における半導体・通信モジュール企業にとっての最重要ポイントは、①センシングの網(気象・土壌・作物)を広く張ること、②低消費電力で広範囲の通信を可能にする無線通信技術(LPWA)で、電源制約下でも確実に届く設計にすること、③電池交換を前提にしない光、熱、振動、電波などを電力に変換する技術である「エネルギーハーベスティング(EH)」で保守コストを抜本的に下げることである。さらに、セルラ圏外をカバーする衛星連携の動きも進み、農業向けの接続・連結システムの選択肢が増えている。

本稿では、スマート農業の進化において、以上の3ポイントから半導体・通信モジュールがどのような役目を果たすか、考察する。

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