この記事のポイント
- 2026年、世界の半導体市場規模が初の1兆ドル超え、1.5兆ドルに達すると予測。
- AI(人工知能)の普及がデータセンター向け高性能半導体需要を大幅に押し上げ。
- 過去の予測から半年で市場規模予測が55%も上方修正される異例のスピード感。
- AIの「学習」だけでなく「推論」機能向け半導体への需要も拡大。
- 市場の急成長にもかかわらず、スマートフォン等のコンシューマー向け製品の低迷が懸念材料。
半導体市場、歴史的な成長へ
世界半导体貿易統計協会(WSTS)は2日、2026年の世界の半導体市場規模が1.5112兆ドルに達するとの予測を発表しました。これは、2025年比で90%の増加となり、世界で初めて1兆ドルを突破するだけでなく、1995年に記録した過去最高の伸び率(42%)を大幅に上回るものです。
AI需要が市場を牽引
この驚異的な市場成長の主な要因は、世界的なAI(人工知能)の普及とそれに伴うデータセンター向け高性能半導体の需要拡大です。NVIDIAやTSMCといった業界の巨人だけでなく、日本のキオクシアホールディングスのような企業もこの恩恵を受けており、市場全体の規模を押し上げています。
WSTSの市場予測は、会員企業からの予測データとマクロ経済動向を総合的に分析したもので、主要半導体メーカーの市場に対する見通しを反映しており、市場の動向を測る重要な指標とされています。
予測値の大幅な上方修正
WSTSは、2025年12月時点では2026年の市場規模を9754億ドルと予測していましたが、わずか半年で予測値を55%も引き上げました。この大幅な上方修正は、半導体業界の発展スピードがいかに速いかを物語っています。
「学習」から「推論」へ、広がるAI半導体の活躍領域
2024年以降、AI半導体の需要は急速に拡大しています。当初は、AIがデータを読み込んで学習する機能に特化した半導体、特にNVIDIAのGPUや韓国企業のDRAMへの需要が中心でした。しかし、現在では、AIが情報処理を行う「推論」機能向けの半導体への需要も高まっています。
これにより、需要の対象はGPUやDRAMに留まらず、推論タスクに最適化されたCPUや、データを長期保存するためのNANDフラッシュメモリへと広がりを見せています。
半導体メーカーの業績見通しと今後の展望
半導体の需給逼迫は、半導体メーカーの財務業績を押し上げると予想されます。例えば、キオクシアホールディングスは、第2四半期の連結純利益が前年同期比で48倍になると見込まれています。
WSTSの試算では、2027年の半導体市場規模は1.9136兆ドルに達し、前年比27%の成長が見込まれています。
KPMGコンサルティングの岡本准執行役員は、「少なくとも2028年までは、AIサーバー関連の半導体需要が衰退する可能性は低い」と指摘しています。
市場の周期性と新たな兆候
半導体市場は、過去には好不況のサイクルが繰り返されてきました。一般的に、「山の頂」が高ければ、「谷」も深くなると言われてきました。しかし、現在の株式市場では、「AIブームにおいては従来の法則は通用しない」との見方もあります。
コンシューマー向け製品の低迷が懸念材料
一方で、スマートフォン、PC、ゲーム機といったコンシューマー向けの電子製品の販売は低迷しています。現在、メモリチップの需給逼迫が価格高騰を招き、それが最終製品の価格上昇につながっています。
任天堂は「Nintendo Switch 2」の日本国内での販売価格を20%引き上げており、製品全般にわたる価格上昇が販売抑制につながると、半導体市場の成長を妨げる要因となる可能性も指摘されています。
出典: 元記事を読む
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