この記事のポイント
- インドはAI分野で米国・中国に並ぶ「AI大国」を宣言しているが、その実現には多くの課題が残る。
- 半導体製造能力の弱さ、AI研究者の不足、政府の研究開発費の低さなどが指摘されている。
- 巨大なインターネットユーザー数とAI技術の積極的な受容は、インドのAI普及を後押しする可能性を秘めている。
- 特に音声AI分野では世界をリードしており、現地の言語や文化に根差した応用開発が進んでいる。
- 最大の課題はAI人材の流出であり、政府は人材流出防止策を打ち出している。
インド、「AI大国」宣言の背景と現状
インドは、AI分野で米国や中国に並ぶ「AI大国」として国際社会に名乗りを上げています。先日、インドで開催されたAIサミットには、フランスのマクロン大統領やブラジルのルーラ大統領といった各国の首脳をはじめ、多くの企業リーダーが参加し、その注目度の高さを伺わせました。
しかし、その華々しい宣言の裏側には、AI先進国となるための幾多の課題が横たわっています。国際通貨基金(IMF)総裁がインドを「二流のAI国家」と評したことに対し、インドの担当大臣が強く反論したエピソードは、インド国内のAI分野への強い関心と愛国心を表しています。このような状況下で、インドはAI分野での存在感を高めようとしています。
AI大国への道のりに立ちはだかる壁
インドがAI分野で先進国となるためには、いくつかの大きな障壁が存在します。まず、AIの根幹を支える半導体製造能力の弱さが挙げられます。現在、インドは先進的なチップの生産能力を持たず、その多くを輸入に頼っています。政府主導の半導体計画が進められていますが、当面は低価格帯のチップ生産に留まると見られています。
また、AI分野における人材面でも課題があります。インドはエンジニアの数は多いものの、高度なAI研究に特化した人材は非常に少なく、英国やフランスと比較してもその数は著しく劣ると指摘されています。さらに、政府の研究開発への投資はGDP比0.7%に留まっており、リスクキャピタルの調達も依然として厳しい状況です。
AIサミットの開催自体は、インドが国際的なAI議論の場をリードする能力を示したと言えます。しかし、開会日には参加者から「3時間待ち」、「厳格すぎる警備」、「Wi-Fiがない」といった不満の声がSNSで多く見られ、イベント運営面での課題も浮き彫りになりました。
巨大市場と独自の強み:インドAIの可能性
多くの課題を抱えながらも、インドがAI分野で重要な役割を果たす可能性は十分にあります。その最大の要因は、9億人を超えるインターネットユーザーという巨大な市場です。彼らの1日の平均インターネット利用時間は7時間に達しており、AI企業にとってモデル学習のためのデータ収集という点で、非常に魅力的な環境と言えます。
インドの企業や消費者もAI技術を積極的に受け入れています。AIを導入しているインド企業の割合は89%に達し、世界平均の62%を大きく上回っています。特に、インドでは音声AIの普及が著しく、多くの国民がAIを日常的に利用しています。
「Sarvam AI」のような企業は、現地の音声や言語データを活用したオープンソースモデルの開発で注目を集めており、一部のタスクにおいては汎用モデルを凌駕する性能を示しています。インドのAI開発は、最先端モデルそのものよりも、「アプリケーション」に焦点を当てる「ボトムアップ」のアプローチが特徴です。
AI応用と課題:人材流出が最大の壁
この「アプリケーション中心」のアプローチは、インドのスタートアップ企業がクラウドコンピューティングやカスタマーサービスといった分野で世界的な注目を集める原動力となっています。さらに、「Supernova」のような企業は、手頃な価格での英語学習プログラムを提供し、百万単位の月間アクティブユーザーを獲得しています。医療分野でも、AIを活用した遠隔医療やトリアージチャットボットが急速に普及しており、発展途上国が抱える喫緊の課題解決に貢献しています。
しかし、AI応用においては、その持続可能性とコストも考慮すべき点です。インドの強みである「限られた資本と収益」は、逆に低コストでAIを実装する革新的な方法を模索する企業を生み出す可能性があります。
インドが直面する最大の課題は、AI人材の維持です。インドには優秀な技術者が多数存在しますが、トップクラスのAI人材が期待する給与水準を支払うことが難しいのが現状です。そのため、多くの創業者や研究者が海外での資金調達やキャリアを模索しており、「エンジニアはインド、マネジメント層は米国」といった分業体制が広がりつつあります。インド政府は、AIラボや博士課程への投資を強化し、優秀な人材の国内留出を防ぐための施策を打ち出していますが、その効果が待たれます。
出典: 元記事を読む
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