この記事のポイント
- AI革命を牽引するNVIDIAのCEOも、台湾の半導体エコシステムを称賛。
- 世界最高性能のチップの多くは、台湾積体電路製造(TSMC)が製造。
- 台湾の半導体産業は、研究機関やサプライヤーとの連携で他国・地域が模倣困難なエコシステムを構築。
- 欧米日による巨額の補助金も、TSMCの生産規模の前では限定的。
- AI時代において、台湾の半導体への依存は今後も続くと予測。
AI革命と台湾半導体産業の強固な結びつき
AI(人工知能)革命が経済や生活のあらゆる領域に浸透するにつれて、グローバル経済における台湾の半導体産業への依存は、ますます深まっています。NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏が、台湾で自身のルーツに触れ、台湾の夜市や屋台を絶賛する姿は、AI市場のリーダーとしての同社の立ち位置と、台湾との深いつながりを象徴しています。
TSMCが牽引する高性能チップ製造
フアン氏が「お気に入り」として挙げた台湾の餃子店のエピソードは、同社の事業規模から見れば些細なものかもしれません。しかし、NVIDIAにとって、そしてAI革命にとって、より重要なパートナーが台湾には存在します。それは、世界で最も高性能なチップのほとんどを製造するファウンドリ(受託生産)大手の台湾積体電路製造(TSMC)であり、AIプロセッサの開発でNVIDIAやARMと協力する聯発科(MediaTek)です。
ARMのCEO、ルネ・ハース氏も、台北で開催されたIT見本市「台北コンピューティア」で、「台湾なくして、我々は何も成し遂げられない」と、台湾の重要性を率直に認めました。
模倣困難な台湾の半導体エコシステム
台北コンピューティアは、AIが経済や生活のあらゆる領域に浸透していく中で、グローバル経済が台湾に依存し続けることを明確に示しました。現在、AIに必要な高性能コンピューティングチップのほぼすべては、TSMCの工場で製造されています。TSMCは1990年代に、欧米のテクノロジー企業が見向きもしなかったチップ製造事業を引き受け、成長を遂げました。
その後数十年にわたり、TSMCは台湾に多数の生産拠点を設立しました。これらの工場は、建設に莫大な費用がかかり、構造も複雑です。さらに、研究機関、サプライヤー、二次加工企業などが連携するエコシステムが効果的に機能しており、台湾の半導体産業は、他国や他地域が容易に模倣できない強みを持っています。
巨額投資も、台湾の優位性は揺るがず
フアン氏が最近発表した台湾への1500億ドルの投資計画は、この優位性をさらに裏付けるものです。TSMCも、フアン氏が言うように、相当な期間、台湾が「AI革命の中心地」であり続けることを示唆する投資計画を進めており、2026会計年度には最大560億ドルの設備投資を見込んでいます。
欧州、米国、日本は、数十億ドル規模の補助金でTSMCに国内での工場設立を促していますが、これらの補助金もTSMCの規模と比較すると微々たるものです。例えば、TSMCは現在、ドイツのドレスデンでボッシュ、インフィニオン、NXPと共同でチップ工場を建設中ですが、プロジェクト総額は約100億ユーロ(約785億人民元)であり、ドイツ政府は50億ユーロの補助金を提供します。しかし、この工場で将来生産されるのは、主に車載用などの成熟したプロセスチップとなる見込みです。
AI時代の半導体供給リスクと台湾への依存
過去数年間、半導体供給のボトルネックが、伝統的な産業企業にどれほど早く脅威をもたらすかは明らかになっています。ドイツの産業界がAI時代に取り残されないためには、半導体は不可欠です。それは、台湾から直接購入する場合であれ、他国のテクノロジー企業を介して間接的に入手する場合であれ、いずれにせよ台湾の半導体産業への依存からは逃れられない状況です。
出典: 元記事を読む
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