「部品が届かない」——10月上旬、欧州と日本の自動車メーカーの現場でこんな声が上がり始めた。原因は、オランダの半導体メーカーNexperia(ネクスペリア)をめぐる一連の政府措置にあった。
9月30日、オランダ政府は重要物資の供給を確保するためのGoods Availability Act(供給確保法)に基づく措置を発動。10月12日にその公表が行われたが、それに先立つ10月4日、中国商務当局がNexperiaの中国拠点および協力会社による特定製品の輸出禁止を通知した。つまり、オランダが国内供給を優先し、中国が輸出を止める——両国の思惑が一点で衝突した格好となったのだ。
その影響は、部品サプライチェーン全体を直撃。完成車メーカーやTier1(完成車メーカーに直接部品を供給するサプライヤ)は在庫の横断管理と代替手配に追われ、生産計画に緊張が走った。
本稿では、この“Nexperiaショック”とも呼ぶべき状況の影響を整理し、今後の対応策を考察する。
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