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SEMICON.TODAY 4 min · 2026.10.17

半導体レジェンドたちはこう動いた!―2026年9月 その②

この記事を読むのにかかる時間: 4 分

半導体業界のトップたちは今、何を語り、どこへ足を運んでいるのか。その一挙手一投足を追いかけると、すばやく半導体の新しい潮流を把握することができる。本企画では、半導体の主要企業やメモリ企業のCEOなどトップたちの動向を追い、それが業界と読者にどんな示唆を与えるのかを読み解く。

今回は、Intelのリップ・ブー・タン(Lip-Bu Tan)CEO、TSMCのC.C.ウェイ(C. C. Wei)会長兼CEO、そして、Armのレネ・ハース(René Haas)CEOの2026年9月の動きや発言をまとめる。

Intel|リップ・ブー・タン(Lip-Bu Tan)CEO

「CPUも顧客の50%にしか供給できない」

【今月の主な動き】

  • 9月中旬:Splunkのカンファレンスで「CPU需要が強すぎて、顧客の50%にしか供給できない」と発言。AI推論の拡大により、計算ボトルネックがGPUからCPUへ広がっていると指摘した。
  • 同席上で、18Aは本格量産段階に入ったと確認。次世代14Aはリスク生産を2027年Q1へ前倒ししたと報じられ、欠陥密度は目標水準へ順調に低下中とされる。外部顧客の14A採用判断は2026年下期〜2027年上期に集中する見通し。
  • ファウンドリ事業について「ファウンドリは本質的に顧客サービス業だ。謙虚に顧客に仕えなければならない」と語った。
【この動きが示唆するもの】 「【この動きが示唆するもの】 「CPUが足りない」は今サイクルの新局面を告げる一言だ。推論・エージェント時代は、GPUだけでなくCPU・メモリ・電力の全てが足りない時代であり、Intelの祖業であるx86サーバー事業が思わぬ追い風を受けている。14Aリスク生産の前倒しは、顧客獲得競争の勝負どころを自ら早めた格好。「下期に複数顧客のコミットを得る」という従来発言の答え合わせが近づいており、大口顧客の社名が出るか否かが、Intel株と米国ファウンドリ政策の次の分水嶺になる。後工程の地域集中リスクへの言及は、SKハイニックスのインディアナ投資などと呼応する業界共通認識だ。

TSMC|C.C.ウェイ(C. C. Wei)会長兼CEO

「8月売上53%増、2nmは月産12万枚へ前倒し増産」

【今月の主な動き】

  • 9月10日:8月の月次売上を発表。NT$5,148億(前年同月比53.3%増、前月比10.1%増)で、1〜8月累計は前年比39.3%増。
  • 9月下旬:2nm(Nの月産能力目標を従来計画の10万枚から12万枚へ20%引き上げると報道。7月末時点の約2万枚から年末までに大幅な拡大を図る。
  • 2nmウエハ価格は約3万ドルと報じられ、価格引き上げ交渉も進行中。一方、株価は好材料にもかかわらず伸び悩み、capex増と利益率圧力への警戒が意識された。
【この動きが示唆するもの】 月次53%増と2nm増産前倒しは、8月掲載分で書いた「実需の温度計」がさらに上振れたことを意味する。しかも増産の主語が最先端ノードであり、EUV・先端材料・後工程を含む装置・部材への波及は質・量ともに最大級だ。12万枚への積み増しは、AppleとAI勢による初の本格的な最先端ノード争奪戦の帰結でもある。1枚3万ドルという価格水準は、チップのコスト構造と最終製品価格を塗り替えていく。10月8日の9月月次、10月15日のQ3決算が、今サイクルの強度を測る次の定点観測になる。「数字で語る」ウェイ氏のスタイルは、言葉がインフレする業界の中でますます貴重だ。

Arm|レネ・ハース(René Haas)CEO

「7月の決算時点より今の方が自信がある」

【今月の主な動き】

  • 9月16日:CNBC「Mad Money」に出演し、「当社技術への需要はかつてなく強い」と発言。AGI CPUの20億ドル需要の充足について「7月の決算時点より今の方が自信がある」と述べ、供給能力の確保が進んでいることを示唆。株価は発言を受けて上昇した。
  • 9月下旬:需要はデータセンター・車載・ロボティクス・エッジの全域で旺盛とする一方、ウエハ・メモリ・基板・テスト能力という多層的な供給制約が当面の制約要因だと改めて説明。前四半期にデータセンター向けロイヤルティが前年比2倍超となった事業構造の変化も続く。
【この動きが示唆するもの】 発言ひとつで株価が動く局面が続いており、チップ事業の立ち上げ進捗がArmの評価のすべてを握る。「足りないのは需要ではなく供給」は業界共通のフレースのようになったが、投資家にとって両者の区別は死活問題だ。供給制約による未達は時間が解決するが、需要減速ならAI投資物語全体が揺らぐ。各社がこの説明を使うほど、出荷実数での検証が重要になる——この見極めが来期以降の最大の焦点である。
※本記事の事実関係は各社の公表情報・報道(2026年8〜9月時点)に基づく。示唆・見解の部分は編集部の分析である。

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