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BREAKING 技術

AIとカメラで3Dプリントをリアルタイム品質検査、米研究チームが開発

2026.09.18
この記事を読むのにかかる時間: 3 分

この記事のポイント

  • カメラとAIを組み合わせ、3Dプリントの造形プロセス中にリアルタイムで品質検査を行う新システムを開発。
  • 手動検査と同等の高精度を維持しつつ、画像解析速度を約10万倍となる数ミリ秒に短縮。
  • 完成前の欠陥検知により後工程のコストを低減し、従来のX線CTでは困難な大型部品にも対応可能。

造形プロセス中のリアルタイム品質検査を実現

米国ローレンス・リバモア国立研究所の研究チームは、カメラと人工知能(AI)を活用して3Dプリントの品質を検査するシステムを開発しました。造形プロセス中に3Dプリンターが積層ごとに製造中の部品を「検査」し、フィラメントの破断や寸法の異常といった微細な欠陥をタイムリーに発見できます。

研究チームによると、部品の造形が完了する前に問題を検出できるため、その後の検査にかかる時間とコストを低減できるとされています。また、この手法は他の先端製造技術や従来の切削加工(減材製造)、実験システムにも応用可能です。関連する研究成果は、学術誌『npj Advanced Manufacturing』に掲載されました。

ダイレクト・インク・ライティング技術の課題を解決

このシステムは主に「ダイレクト・インク・ライティング(Direct Ink Writing)」技術に適用されます。この3Dプリント技術は、柔軟性のある材料やペースト状の材料をノズルから押し出し、細いフィラメント状の構造を形成しながら、あらかじめ設計されたパスに沿って層ごとに積み重ねていきます。複雑な緩衝パッドやガスケットなどの部品では、吐出されたフィラメントの太さや配列が部品の性能を左右するため、わずかな隙間や破断、直径の変化が製品の不具合につながる可能性があります。

従来は、造形が完了した後に部品を取り外し、X線イメージングや機械的試験などの方法を用いて検査を行うのが一般的であり、多大な時間とコストを要していました。今回の新システムは、検査のタイミングを造形プロセス中へと前倒しします。カメラが各層の材料堆積時の画像を撮影し、ソフトウェアが画像から吐出されたばかりのフィラメント構造を認識して直径などの寸法を測定します。これにより、造形中に破断や寸法の異常を把握できます。研究チームは、カメラが「目」、AIが画像を分析・判断する「脳」として機能していると説明しています。

手動測定の約10万倍の高速処理と高い検出精度

研究チームは、手動でアノテーションを付与した約1万5000枚の画像を用いて機械学習モデルをトレーニングし、55個の部品で検証を行いました。その結果、自動測定による結果と手動測定の結果との差は、通常わずか数マイクロメートルにとどまりました。大型画像の解析において、手動測定では20分から1時間かかる場合があるのに対し、自動化された分析はわずか数ミリ秒で完了し、平均速度にして手動測定の約10万倍を達成しています。

さらにシステムの能力を検証するため、研究チームは約25cm×25cmの緩衝パッドを検査しました。1つの層から約2500枚の画像を収集し、部品内部構造の空間分布図を作成したところ、フィラメントの直径が一端からもう一端にかけて徐々に変化していることが判明しました。詳細な分析により、造形プラットフォームがノズルに対してわずかに傾斜していたことが原因である可能性が示されました。この問題は、部品全体の平均寸法を確認するだけでは発見が困難なものです。

大型部品の検査にも有効

研究チームは、X線コンピュータ断層撮影(CT)は詳細な3次元構造情報を提供できるものの、大型で複雑な部品に対しては高解像度での検出能力に限界があると指摘しています。これに対し、3Dプリンターに取り付けられたカメラを活用すれば、製造プロセス中に継続的に情報を取得でき、完全なCTスキャンが困難な大型部品の検査にも効果を発揮します。

出典: 元記事を読む

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