この記事のポイント
- 米国立標準技術研究所(NIST)の数学者として、機械学習を用いた半導体量子ドットデバイスの自動制御手法を研究しています。
- 深層畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などを活用し、ヒューリスティックな調整を排除した量子ドットアレイの大規模化を目指しています。
- 量子制御向け機械学習の開拓により、米国大統領早期キャリア賞(PECASE)や商務省ブロンズメダル賞など多数の賞を受賞しています。
Justyna P. Zwolak氏の概要と専門分野
Justyna P. Zwolak(ユスティナ・P・ズウォラク)氏は、米国メリーランド州ゲイザースバーグに拠点を置く米国立標準技術研究所(NIST)の技術試験・評価部門(Technology Test and Evaluation Division)に所属する研究者(数学者)です。
専門分野は、人工知能/超知能(Super intelligence)、データ・インフォマティクス、画像および信号処理、量子情報科学(Quantum information science)に及びます。
半導体量子コンピューティングと機械学習の研究
Zwolak氏の現在の研究は、量子コンピューティングプラットフォームにおける機械学習アルゴリズム、特に深層畳み込みニューラルネットワーク(Deep Convolutional Neural Networks)の適用に焦点を当てています。
具体的には、半導体ベースの量子コンピューティングにおいて、電子スピンの安定した配置を自動的に特定する手法を研究しています。また、量子ドットデバイスのモデリング、認識ネットワークのトレーニング、さらには数学的最適化を通じた実験セットアップの自動チューニング(Auto-tuning)を可能にする完全なソフトウェアスイートの開発も進めています。
この取り組みが成功すれば、経験則に基づくヒューリスティックなキャリブレーション(調整作業)が不要となり、量子コンピューティングをより大規模な量子ドットアレイへとスケールアップする支援となります。
同氏の過去の研究は、量子情報理論から機械学習、複雑ネットワーク分析、物理学・数学教育まで多岐にわたります。量子系におけるエンタングルメントの特性評価や量子状態空間の記述に関する新しいアプローチを開発したほか、初期物理学コースにおける学生の継続性に影響を与える要因の分析なども主導しました。これらの研究は『Science』や『Nature Physics』、ならびに『Physical Review』のエディターズ・チョイスなどで取り上げられています。
経歴と学歴
【職歴】
- 2019年2月〜現在:米国立標準技術研究所(NIST)応用・計算数学部門 数学者
- 2017年7月〜2019年1月:メリーランド大学 量子情報・コンピュータサイエンス共同センター(QuICS) アシスタントリサーチスカラー
- 2014年10月〜2017年6月:フロリダ国際大学 STEMトランスフォーメーション研究所 リサーチアソシエイト
- 2011年10月〜2014年9月:オレゴン州立大学 物理学部 リサーチアソシエイト
- 2007年10月〜2011年5月:ニコラウス・コペルニクス大学 物理・天文学・情報学部 大学院研究助手
【学歴】
- 2011年:物理学博士(Ph.D.) ニコラウス・コペルニクス大学(ポーランド)
- 2007年:数学修士(M.Sc.) ニコラウス・コペルニクス大学(ポーランド)
主な受賞歴
- 大統領早期キャリア賞(PECASE)(2025年1月)
- 2024年 米国商務省ブロンズメダル賞(チーム受賞)(2025年1月):量子制御向け機械学習分野の開拓に対して
- ITL ベストジャーナル論文賞(2024年7月):2023年2月に『Reviews of Modern Physics』へ共同執筆した論文「Colloquium: Advances in automation of quantum dot devices control」に対して
- 2024年 応用数学研究優秀賞(2024年5月):量子科学・技術の最前線におけるシステム制御への機械学習適用に関する顕著な貢献に対して
ソフトウェア・特許実績
研究活動の一環として、量子ドットデバイスの物理シミュレーション用Pythonパッケージ「QDFlow」や、機械学習用量子ドットデータセット「QFlow 2.0」、冷原子画像解析用パッケージ「SolDet」などのデータ・ソフトウェア公開を行っています。
また、機械学習を用いたレイベース分類フレームワークによるデバイスチューニング技術(Ray-Based Classifier Apparatus And Tuning A Device Using Machine Learning With a Ray-Based Classification Framework)に関する特許の発明者としても登録されています。
出典: 元記事を読む
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