深堀記事一覧へ戻る
SEMICON.TODAY 4 min · 2026.10.14

SEMICON India 2026で見えた“政策から量産”への転換―Silicon to Systemsで読むインド半導体の現在地

この記事を読むのにかかる時間: 4 分

2026年9月17〜19日、インド・ニューデリーで「SEMICON India 2026」が開かれた。テーマは「Silicon to Systems: Building the Ecosystem」。これまで政策構想や大型誘致の話が中心だったインド半導体は、設計から製造、人材までを含む“実装段階”へ移ろうとしている。

この記事のポイント
■ SEMICON India 2026は、2026年9月17〜19日にニューデリーのYashobhoomiで開催された
■ インド政府(PIB)の発表では、600超の出展者、約300の海外参加者、52カ国の代表、150超の登壇者が集まった
■ インド半導体は政策構想の段階から、ATMP・OSAT、材料・装置、人材、設計を含む実装段階へ移りつつある

インドは「最先端工場をいきなり建てる国」ではなく、「得意な設計から、組み立て・検査、材料・装置、人材まで、産業の土台を一式そろえようとしている国」である。SEMICON India 2026は、その現在地を示した。

何が発表されたのか

SEMICON India 2026は、9月17〜19日にニューデリーのYashobhoomiで開催された。インド政府の広報機関PIBは、同イベントが「Silicon to Systems: Building the Ecosystem」をテーマに開かれ、600超の出展者、約300の海外参加者、52カ国の代表、150超の登壇者を集めたと発表した。初日の17日には、モディ首相が開幕を執り行った。

図1 SEMICON India 2026の規模

出典:各社・各団体の公表資料をもとにSEMICON.TODAY編集部作成

基礎から理解する:「Silicon to Systems」とは

このテーマが示すのは、インドが単にファブ(半導体工場)の誘致だけを目指しているのではないという点である。設計、IP、材料、装置、ファブ、先端パッケージング、電子機器製造、研究開発、スタートアップ、人材を一体で育てようとしている。

図2 Silicon to Systemsの全体像

出典:各社・各団体の公表資料をもとにSEMICON.TODAY編集部作成

インドの強みと、まだ時間がかかる領域

インドの強みとしてまず挙げられるのは設計人材である。グローバル半導体企業の設計拠点がインドに多く、EDA、IP、検証、組み込みソフトウェアの人材基盤がある。先端ファブをゼロから立ち上げるよりも、設計、検証、ソフトウェア、システム側から半導体産業へ入る方が現実的な面がある。

一方、半導体産業は長期戦である。ファブの建設には時間がかかり、量産の歩留まりを立ち上げるにはさらに時間がかかる。装置・材料・人材・水・電力・物流・顧客認証も必要だ。

図3 インド半導体の強みと課題

出典:各社・各団体の公表資料をもとにSEMICON.TODAY編集部作成

日本企業への示唆

インドの半導体エコシステム形成は、日本企業にも関係がある。日本は装置、材料、検査、薬液、部材で強みを持つ。インドでファブ、ATMP、OSAT、装置部材の製造が増えれば、装置の導入・保守、薬液・ガス・材料の供給、クリーンルーム設計、検査・計測装置、パッケージング材料、人材教育の需要が生まれる。

注意すべき点

インドがすぐに台湾や韓国のような先端半導体の製造拠点になると見るのは早い。ファブ建設、量産歩留まりの立ち上げ、顧客認証には長い時間がかかる。

また、展示会での出展者数や参加国数は、産業の関心の高さを示す指標であり、そのまま投資の実行や量産の規模を示すものではない。

まとめ

SEMICON India 2026は、インド半導体の現在地を確認する重要なイベントとなった。「Silicon to Systems」というテーマが示すように、インドは設計から材料・装置、製造、パッケージング、電子機器、人材までを一体で育てようとしている。

正確に言えば、インドは政策主導の初期段階から、設計、ATMP、材料・装置、電子機器製造、人材育成を含む実装段階へ移ろうとしている。日本の装置・材料・保守の力が生きる余地は大きい。

用語解説

用語説明
SEMICON Indiaインドの半導体展示会・会議。政府、企業、投資家、研究機関、スタートアップが参加する。
Silicon to Systemsチップの製造だけでなく、設計、材料、装置、パッケージング、電子機器製造、人材まで含む産業全体を指す考え方。
ATMPAssembly, Testing, Marking and Packagingの略。チップの組み立て・検査・刻印・パッケージングの工程。
OSAT半導体の後工程(組み立て・検査)を受託する企業または業態。
PIBPress Information Bureauの略。インド政府の広報機関。
歩留まり製造した製品のうち、良品として出荷できるものの割合。

出典(Sources)

・S1|PIB India|SEMICON India 2026 concludes successfully|2026-09-19

本文での主な参照箇所:開催日、テーマ、出展者数、参加国、登壇者

・S2|SEMI|Hon’ble PM Shri Narendra Modi to Inaugurate SEMICON India 2026|2026-08

本文での主な参照箇所:開催概要、主催、テーマ

・S3|PIB India|PM inaugurates SEMICON India 2026|2026-09-17

本文での主な参照箇所:開幕、政策文脈、インド半導体の位置づけ

※本記事は各社・各団体の公表資料をもとに作成したものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
記載内容は執筆時点の公開情報に基づきます。

この記事で取り上げた分野では、現在も採用が活発です。以下は、semicon.todayの編集部が記事のテーマをもとに選定した求人情報です。広告・PRではありません
※採用状況により求人内容が更新される場合があります

※現在お読みいただいているこの記事は、国内外のニュースソース等から取得した情報を自動翻訳した上で掲載しています。

内容には翻訳による解釈の違いが生じる場合があり、また取得時の状況により本文以外の情報や改行、表などが正しく反映されない場合がございます。

順次改善に努めてまいりますので、参考情報としてご活用いただき、必要に応じて原文の確認をおすすめいたします。

この記事は参考になりましたか?ぜひシェアしてください。