この記事のポイント
- 中国の今年第1〜3四半期におけるリチウム電池輸出額は前年同期比36.4%増と高水準の伸びを記録。
- 主要港である厦門港では、行政機関の窓口一元化や安全輸送基準の策定により通関を大幅に迅速化。
- 海のない内陸都市・四川省宜賓市は、長江水運を活用した原材料調達と加工一貫体制で世界市場へ電池を供給。
環境関連製品の輸出が急拡大、水運が貨物輸送の90%以上を担う
データによると、今年の第1〜3四半期における中国の物品貿易輸出入額は39.94兆元となり、前年同期比で18.8%増加しました。その中でも、電気自動車(EV)が72.3%増、リチウム電池が36.4%増、風力発電機ユニットおよびその部品が22.4%増と、環境関連製品の輸出が著しい伸びを示しています。
現在、中国には313の国境口岸(通関地)が存在し、その内訳は水運口岸が125、航空口岸が86、陸路口岸が102となっています。とりわけ水運口岸は貨物輸送の絶対的な主力であり、全国の口岸貨物輸送量の90%以上を担っています。「東部・中部・西部の協調、海・陸・空の連動」による対外開放の構造が日増しに整備され、多種多様な口岸が連携して力を発揮することで、数多くの「中国製造(メイド・イン・チャイナ)」製品の世界進出が加速しています。
部門間の連携を強化、厦門港がリチウム電池の輸出を後押し
福建省の厦門港は、中国におけるリチウム電池輸出の主要港の1つであり、すでに3年連続で輸出額が1000億元を超えています。多くの新エネルギー企業が輸出港として厦門港を選択する背景には、手続きの効率化があります。
従来、貨物船が厦門港で荷役作業を行う際は、海事、港湾、埠頭、水先案内など10カ所近くの港湾・航運関連機関と個別に調整する必要があり、部門間の情報分断が課題となっていました。現在では、統合センターの設置によって従来の「1対多数」の対応から各部門が連携した「多数対1」の体制へと移行し、貨物船側はセンターとやり取りするだけで各部門の業務統括が行われる仕組みに刷新されました。
さらに、厦門港の各口岸部門は、コンテナ式リチウム電池エネルギー貯蔵システム(ESS)の海上安全輸送ガイドラインを新たに策定し、該当製品における海上輸送の技術規範の空白を埋めました。
あわせて、新エネルギー車・リチウム電池・太陽電池のいわゆる「新三様」貨物に対する専用ルートを開設し、「即時申告・即時審査」「期限付き処理」「不備書類の後日補完(容欠受理)」などの措置を導入して業務処理時間を短縮しています。武漢や寧波など複数の地域とも監督管理結果の相互承認を実現し、複数港での重複申告や再検査を削減することで、リチウム電池製品の安全かつ円滑な輸出を促進しています。
海のない内陸都市・四川省宜賓市が実現する「グローバル調達・グローバル販売」
厦門港から出航する貨物船に積載されているリチウム電池の多くは、遠く離れた内陸部である四川省宜賓市の工場で製造されたものです。海に面していない宜賓市が、いかにして世界市場への展開を実現しているのでしょうか。
その鍵は長江を活用した水運にあります。海外から運ばれたリチウム鉱石は、海を越えて上海に到着した後、長江を2800キロメートル以上遡上して宜賓市へと届けられます。
鉱石は港に到着した後に一次加工され、工場でリチウム塩へと精製されます。その後、正極材や負極材へと加工され、電池セルが製造された後、最終的に動力電池(車載用バッテリーパック)として組み立てられます。こうして宜賓市で完成した動力電池は、深圳港、厦門港、上海港などを経由して海外市場へと出荷されています。
出典: 元記事を読む
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