この記事のポイント
- 新エネルギー車(EV)の商業保険における自主定价係数の範囲が、ガソリン車と同水準に近づき、9月末までに統一される見込みです。
- これにより、保険会社はEVの車種やリスクレベルに応じた、より精緻な保険料設定が可能になります。
- EV保険市場は急速に成長しており、2030年には保険料規模が約4800億元に達すると予測されています。
- 大手保険会社では、EV保険事業の収益性が向上し、承保黒字化が進んでいます。
- 今後は、価格メカニズム改革から、バッテリーや自動運転機能などのリスク評価能力の向上へと重点が移ると予想されます。
EV保険料、ガソリン車並みに:自主定价係数統一へ
中国工業和信息化部(MIIT)などが発表した「スマートコネクテッド新エネルギー車産業発展『第15次五カ年計画』」において、新エネルギー車(EV)の商業保険改革が提言されました。その一環として、EV商業保険の自主定价係数の範囲がさらに拡大され、2024年9月末までにはガソリン車と同水準に統一される見込みです。これは、EV保険市場の市場化改革における重要な一歩と位置づけられています。
リスクを反映したきめ細やかな保険料設定
自主定价係数の範囲がガソリン車と同水準に近づくことで、保険会社は自社の運営データやリスクモデルに基づき、EVの車種やリスクレベルに応じた、より精緻な保険料設定が可能になります。これにより、保険料が各車両、顧客、リスクの違いをより正確に反映できるようになり、保険市場全体の健全な発展に繋がると期待されています。
現在、ガソリン車の自主定价係数(保険料の変動範囲)は0.5~1.5ですが、EVは0.55~1.45となっています。これが9月末には0.5~1.5に統一される見通しです。
EV保険市場の急速な成長と将来性
中国におけるEV保険市場は、近年爆発的な成長を遂げています。2020年には246億元だった保険料は、2024年には1409億元に達し、2030年には約4800億元規模にまで拡大すると予測されています。これは、車載保険全体に占めるEV保険の割合が、現在の約15%から40%超にまで上昇することを示唆しており、EV保険が車載保険の主要な成長ドライバーとなることが見込まれます。
大手保険会社の収益性向上
人保財産、太平洋財産、平安財産といった中国の大手保険会社では、2024年上半期においてEV保険の保険料が大幅に増加し、承保利益も黒字化する傾向が見られます。例えば、平安財産ではEV保険の原保険料収入が21.5%増加し、太平洋財産や人保財産もEV保険事業が既に収益化していることを公表しています。これは、市場の成長とともに、保険会社のリスク評価能力や商品開発力が向上していることを示しています。
今後の改革の焦点:リスク評価能力の強化へ
今後のEV保険改革の焦点は、価格メカニズムの改革から、より高度なリスク評価能力の構築へと移行していくと考えられています。特に、EVのバッテリー、スマート運転支援システム、そして修理コストといった特有のリスク要因に対して、より精緻なモデルとデータに基づいた評価が求められます。将来的には、リスクの高い車両ほど正確に保険料に反映される、より市場原理に基づいた精緻な保険システムが構築されることが期待されます。
また、保険業界協会が支援する上海保険交易所が構築した保険サービスプラットフォーム「車載保険良投保」は、EV特有の高リスク分担メカニズム構築に貢献しており、1周年で132.21万台のEVに1.33兆元のリスク保証を提供しています。
車種別リスク分級制度の導入
さらに、EVの車種ごとにリスクレベルを分級し、それを商業保険料に連動させる制度の導入も進められています。この制度が正式に施行されれば、EV商業保険の価格設定がさらに最適化され、よりきめ細やかな保険料設定に繋がるでしょう。
出典: 元記事を読む
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