この記事のポイント
- 銅・亜鉛・錫・硫黄・セレン系薄膜太陽電池のモジュール効率で世界記録を更新。
- 大面積化における薄膜の均一性課題を分子レベルで解決。
- 低コスト・環境配慮型の次世代太陽電池の産業化に道を開く。
- 関連研究成果は国際学術誌『Nature Materials』に掲載。
次世代太陽電池、世界記録を更新
中国科学院物理研究所の研究チームが、大面積銅・亜鉛・錫・硫黄・セレン(CZTSSe)薄膜太陽電池モジュールの光電変換効率において、13.0%という世界記録を達成しました。これは、次世代の低コストで環境に優しい太陽電池の産業化に向けた重要な進展となります。
CZTSSe薄膜太陽電池の可能性と課題
CZTSSeは、豊富で安価、かつ環境に優しい元素で構成される新しい薄膜太陽電池材料であり、次世代太陽電池の重要な方向性として注目されています。しかし、実験室レベルでの高効率化は達成されているものの、実用化に向けては、デバイスサイズを拡大すると薄膜の均一性が著しく低下し、効率が低下するという課題がありました。
分子レベルでの課題解決
この課題を解決するため、研究チームは分子レベルに着目し、ホルムアミドを「調整役」として導入することで、金属イオンと有機分子の配位構造を精密に制御することに成功しました。これにより、従来の溶液プロセスで発生していた不均一な結合ネットワークを解消し、薄膜の均一性を劇的に向上させました。
大面積化と産業化への道筋
この分子配位制御戦略に基づき、研究チームは、大面積連続生産に適した溶液塗布プロセスを開発しました。その結果、10平方センチメートルの基板上に非常に均一なCZTSSe薄膜を作製することに成功しました。この薄膜を用いて作製した1平方センチメートルの小型セルでは14.2%の効率、さらにレーザー加工により6つのサブセルを直列接続した総面積10.5平方センチメートルのモジュールでも、13.0%という高い効率を達成しました。
孟慶波研究員は、「この成果は、CZTSSe薄膜技術が実験室の小面積だけでなく、生産規模の拡大と産業化の可能性を秘めていることを十分に証明しています。本研究は、低コストでグリーンな薄膜太陽電池モジュールの量産化に新しいアプローチを提供します。」と述べています。
本研究成果は、国際学術雑誌『Nature Materials』にオンライン掲載されました。
出典: 科技日报
出典: 元記事を読む
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