中国レアアース輸出管理の再強化がもたらした衝撃——迫られる設計・契約・運用の再定義

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2025年10月9日、中国商務部はレアアース(計17元素の総称:希土類)に関する物品・設備・技術の輸出管理を再強化した。柱は3つ。第一に自国の輸出規制を国外の再輸出や第三国間取引、技術提供にも及ぼす運用である域外適用——中国原産希土の価値比率が0.1%以上を含む域外製品、または中国のレアアース関連技術を用いて海外で製造した製品の第三国輸出に対しても、中国の輸出許可を求め得る設計となる。第二に最終用途審査の厳格化——防衛・AI・半導体など安全保障枠の用途は逐一審査または原則不許可の運用。第三に対象の裾野拡大——中重希土および関連装置・リサイクル設備、並びに採掘・分離・金属化・磁材製造・リサイクルに関わる技術そのものまで包括管理する。さらに、今回の告示では、サプライチェーン各段で合規告知書の連鎖発行(輸出者→輸入者→最終ユーザー)が義務化され、制度は「物+技術+通知」の三層で機能する。施行時期は、主要条項の一部が2025年12月1日、他の一部は即日である。これにより、半導体は、装置・材料・工程・サービス(保全・RMA・リモートサポート)に至るまで、設計・契約・運用の再定義を迫られている。

本稿では、この中国レアアース輸出管理の再強化による半導体への影響を考察する。

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