EV・AI・2.5D/3D実装など新市場の拡大が加速する一方、デジタルトランスフォーメーション(DX)に本格着手する日本企業の比率は55.8%(2021)→69.3%(2022)と急拡大している。しかし現場の設計・生産を担う中堅エンジニアにとっては、日常業務と新スキル習得を両立させる仕組みが不足しがちだ。本稿では「どのタイプで学習すれば、自身の10年後の市場価値を最大化できるか」をテーマにその選び方を解説する。
グローバルで繰り広げられる人材争奪戦
まずは、今後の業界の人材の需給がどう動くか予測する。世界の半導体企業は2030年までに1兆ドル超の投資を計画する一方、アジア太平洋だけでエンジニアが20万人不足する見通しだ。米欧も各10万人規模のギャップが出るとされ、日本の中堅エンジニア層は“売り手市場”を最大限に生かせる立場にいると言える。
そして中堅エンジニアが、“売り手市場”を最大限に生かせるポイントとして、早急なスキル取得が挙げられる。外資ファウンドリは、PE資格+DX実績の有無で報酬のアップダウンを判断し始めているからだ。また、言語・国境を越える資格の有無や、実務成果をセットで示せるかが転職・社内昇格の勝負所となるだろう。

三大ルートで描く“拡張キャリア”設計図
「PE(技術士)国家資格」、「System-in-Package(SiP)大学院/講座」、「DXリーダー育成(マナビDX Quest)」の三つのキャリアの拡張ルートを解説する。文末に記したサイトを参考に「三大ルートで描く“拡張キャリア”設計図」をまとめた。この表をもとにそれぞれのコスト、リターンなどを以下に記す。

1. PE(技術士)国際資格 — 年収+10~15%
直近3年の合格率は48.3 %→33.1 %→36.5 %と難化傾向にある。
- 合格までの参考学習時間:200〜250h
論述対策 120h(過去問8セット×15h)
専門研修 60h(JABEE教材+eラーニング)
模擬面接 20h(業務経歴プレゼン含む) - 投資対効果シミュレーション
講座費 15万円+受験料 1.1万円
海外PJ手当 月7万円×36カ月=252万円
ROI=15.2倍
2. System-in-Package(SiP)大学院/講座 — “サプライチェーン横断型PM”への跳躍台に
SiP市場は2024年311.5億ドル、CAGR 10 %超で拡大中。歩留まり・熱抵抗の最適解を示せる人材は依然不足しており、装置→材料/材料→設計の横スライドにも強い。
- 学習ロードマップ(24カ月モデル)
基礎:半年 — JEITA/IMAPS講座で樹脂流動・熱設計を体系把握
専門:1年 — 社会人大学院(慶應SDMなど)で数値シミュレーション+PBL
応用:半年 — 社内PoCを実施し、熱抵抗10 %低減/歩留まり2 pt向上をKPI化 - キャリア出口:後工程PM、先端実装フェロー、サプライチェーン統括など
3. DXリーダー育成(マナビDX Quest) — OEEや不良率改善が給与査定に直結しやすい
マナビDX Questは、企業データに基づく実践的なケーススタディ教育プログラム及び、地域の中小企業との協働による、デジタル技術を活用した地域企業協働プログラムからなる。24年度2,400名・満足度84 %。OEEや不良率改善が給与査定に直結しやすいため“短期に成果を見せたい”人に最適。
- 実務直結カリキュラム
1〜2週目:ビジネス課題の数値定義(現行KPI棚卸し)
3〜6週目:Python+BIツールでダッシュボード構築
7〜10週目:需要予測モデルを実装し在庫3億円削減例も - 企業側メリット:教育訓練給付+政府補助でコスト圧縮、成功事例を経産省にPR可能
プロセスを高速アップデートできる者が次代のリーダーに

これら三つのタイプを見てきたが、キャリア拡張に最善なのはこの三つのタイプをうまく併用して上手く取得することだ。年次目標と定量指標でロードマップを引けば、10年後の自身の市場価値は格段に伸びるだろう。変化速度が競争力を決する半導体産業では、学習プロセス自体を高速アップデートできる者が次代のリーダーとなるのだ。
*この記事は以下のサイトを参考に執筆しました。
参考リンク