昨今、生成AIの爆発的な普及が、半導体メモリ市場に新たな波をもたらしている。特に、データ処理能力が求められるAIアプリケーションの増加により、DRAM(特にHBM)やNANDフラッシュメモリの需要が急増している。
この変化は、米Micron Technologyや韓国SK hynixといった主要メモリメーカーの業績に顕著に表れており、さらには日本企業にとっても新たな戦略の再考を迫るものとなっている。本稿では、AIアプリケーションの増加による、DRAMやNANDフラッシュメモリの需要急増がMicron TechnologyとSK hynixにもたらした業績の好調の実態を紹介し、さらにはこのメモリ市場の需要増に対し、日本企業がどういう戦略をとるべきかを考察する。
メモリ市場の現状と今後の展望
1.Micron TechnologyとSK hynixの業績から見るメモリ市場の動向
Micron Technologyは、2025年第2四半期において、売上高80.5億ドル、純利益15.8億ドルを計上し、HBM(High Bandwidth Memory)の売上が10億ドルを超えるなど、生成AI需要の恩恵を受けている。
一方、SK hynixも2025年第1四半期に売上高17.6兆ウォン、純利益8.1兆ウォンを記録し、HBM3Eの需要増加が業績を牽引している。
2.DRAMとNAND市場の需給拡大

経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(BCG)の発表によると、生成AIの普及により、メモリ市場は需要拡大。なかでもDRAM市場ではHBMの需要が急増し、2025年にはHBM市場が前年比70%成長すると予測されている。
また、NAND市場でも、データセンター向け需要が30%以上増加する見込みである。しかし、DRAMへの投資集中による供給ボトルネックという懸念もある。
日本企業の戦略的ポジショニング:次世代DRAM開発に注力せよ
では、このようなメモリ市場の拡大に対し、日本企業はどのような戦略をとるべきなのか。日本は、メモリ関連の素材や製造装置に強みを持ち、EUVリソグラフィ技術の活用が期待されている。BCGのレポートによれば、生成AI需要の増加を背景に、2024年~2027年のDRAM出荷量は年平均21%成長、この成長は主に生成AIなどに使用される次世代DRAMである高帯域メモリ(HBM)が牽引すると予想されるという。
また、BCGは、日本が従来強みを持つ半導体材料や製造装置のエコシステムと結びつくことで、次世代DRAM開発の成功を後押しすると分析している。このため、日本企業にとっては大きなチャンスであり、次世代DRAM開発に注力すべきだと思われる。
日本企業が取るべき次の一手

このように、生成AIの進展により、メモリ市場は大きな変革期を迎えている。そして、日本企業は、素材や製造装置の強みを活かし、次世代メモリ技術への投資を強化することで、グローバル市場での競争力を高めることが求められる。また、それには政府の支援や産学連携を通じて、技術革新と人材育成を推進することも大切だ。前述したが、これは日本の半導体産業の再興への大きなチャンスなのだ。
参考リンク この記事は以下を参考にして執筆しています。
(参考:Micron Technology, Inc. Reports Results for the Second Quarter of Fiscal 2025)
(参考:SK hynix Announces Q1 2025 Financial Results)