毎年10%超成長の原動力 ~ティアンドエスグループの半導体戦略をCEO・COOが語る~(後編)

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【後編】半導体産業の未来図―ティアンドエスグループが未来を加速する、半導体とAIが融合する次世代へー

前編では、ティアンドエスグループ株式会社(以下、T&S)が30年以上にわたり培ってきた半導体生産システムの最適化ノウハウと、それが生み出す盤石な安定成長の秘密に迫った。しかし、T&Sの挑戦はそこで終わらない。同社が次に見据えるのは、未来を見据えた人材の確保、そして同社が展開する半導体ソリューションとAIソリューション事業の展開だ。CEO武川義浩氏とCOO木下洋氏が語る、T&Sの描く壮大な半導体産業の未来図と、その実現に向けた挑戦の全貌とは。

T&Sのビジネスモデルと先行投資:未来を見据えた人材育成

T&Sは、半導体産業におけるSIer(システムインテグレーター)事業において、盤石な地位を確立している。その強固な基盤を支えるのが、専門分野に特化した「人」である。「SIerは労働集約的なビジネスですが、お仕事をいただけてもエンジニア人材が足りていない状況が続いています。そのため、採用に力を注いでいます。」とCOOの木下氏は話す。

半導体分野の技術者育成には時間を要するという認識のもと、T&Sはここ数年、新卒採用を重視し、3年から5年かけて彼らを育成する方針を掲げている。これは、単にプロジェクトごとに人員を配置するだけでなく、組織的にエンジニアを採用し、長期的な視点で育成していくという、T&Sの戦略だ。この継続的な人材育成が、変化の激しい半導体業界でT&Sが競争力を維持し、成長していくための重要な要素となっている。

さらに、T&Sは単なるスキルアップにとどまらず、エンジニア一人ひとりが深い専門性と広い視野を兼ね備えることを重視している。そのため、最新技術の学習機会の提供はもちろんのこと、業界のトレンドや顧客のニーズを深く理解するためのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)にも力を入れている。これにより、育成されたエンジニアは単なる技術者としてではなく、顧客のビジネス課題をITで解決する真のパートナーとして貢献できる人材へと成長する。このような手厚い人材育成への投資は、短期的な利益追求ではなく、中長期的な企業価値向上を見据えたT&Sの経営哲学を強く反映している。

T&Sの次なる挑戦──国内の信頼を礎に、将来の展開を見据えて

T&Sは現在、国内の大手半導体メーカー向けに特化したSI事業を中心に、確固たるポジションを築いている。その基盤となっているのが、顧客の工場内にエンジニアを常駐させる“現場密着型”の支援体制だ。たとえばキオクシアでは、80名以上の専属チームが常駐し、日々の保守・運用から改善提案までを担っており、単なる請負開発ではなく、顧客業務の一部を担うパートナーとしての立ち位置を確立している。

新規顧客開拓においては、「最初の小さな穴を開けるのが難しい」と言われるほど参入障壁が高いが、T&Sは既存顧客で蓄積したノウハウと信頼を“横展開”することで突破口を開いてきた。具体的には、既存顧客で培ったキーマン人材を新たなプロジェクトへ配置することで、“人材ごと信頼を持ち込む”戦略を取り、すでにソニーグループでも10名規模の体制構築に成功している。

将来的には、こうした国内での成功モデルを活かし、海外展開も視野に入れていきたい──というのが現時点でのT&Sのスタンスである。特定の地域や企業を念頭に置いた動きはまだ限定的ではあるものの、業界のグローバル化が進む中で、これまで築いてきた“深く入り込むSI”としての経験が海外でも通用する可能性は十分にある。

T&Sが誇る「揺るぎない信頼」と「確かな専門性」

T&Sは単なるSIerではない。

同社は、半導体生産という極めて秘匿性の高い情報を扱うシステムを30年以上にわたり任されてきた、揺るぎない信頼と実績を持つ企業だ。

T&Sが目指すのは、資本市場において「AI・半導体に特化したSIer」としてのポジションを明確に打ち出すことだ。

何でも屋のSIerではなく、半導体やAIといった特定の領域に深く踏み込んだ「専門家集団」として評価されることを同社は誇りにしている。長年にわたる経験で培われた「確かなノウハウ」と、顧客の「痒い所に手が届く」理解力は、他社には真似できないT&Sの強力な強みである。

T&Sは、資本市場に対し、同社の半導体ソリューション部門の「持続的な成長性」と「将来のポテンシャル」を、この信頼と専門性を基盤として訴求している。

さらに、DXソリューションの技術者を半導体分野に転用するなど、社内のリソースを戦略的に活用し、未来へ向かうT&Sの姿勢は、持続的な成長への強いコミットメントを示している。

CEO・COOから未来のパートナーへのメッセージ:共に半導体産業の未来を創る

T&Sのビジョンは明確である。それは、単なるITサービスプロバイダーに留まらず、半導体産業の未来を共に創り出すパートナーとなることである。CEOの武川氏は次のように語る「当社には、AI技術で国際的な賞を受賞したエンジニアも在籍しております。AIと半導体は密接に関係しており、両方に強みを持つことが、今後の競争力になると確信しています。」

この言葉を体現するようにT&Sは技術と信頼、人材と継続性という、極めて地に足のついた戦略によって毎年10%を超える成長を実現してきた。

T&Sは、半導体産業の進化をITの力で支え、次世代の工場、そして世界の舞台へと挑戦し続ける。半導体産業の未来を創造していく一役を担うだろう。

参考リンク

※本記事の内容は、T&Sへの独自取材に基づいて構成されています。

>>前編はこちらから

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